ワクチンの効果
インフルエンザワクチンは、完全にインフルエンザを抑え込むことはできませんが、65歳以上の高齢者の発病を半数近くに減らし、死亡を80%程度阻止し、6歳未満の小児の発病防止には50〜60%程度有効であるという研究報告があります。
●ワクチン接種は誰のため?
インフルエンザにかかるのは15歳未満が最も多く、次いで60歳以上です(図1)。
入院(重症者は年間約2万人)は70歳以上が50%以上を占め、次いで0〜9歳が20%程度です(図2)。
高齢者はインフルエンザにかかると重症化しやすく、小児は重症しにくくても多数がかかるので、入院者数は多くなります。したがって、本来予防するのにもっとも重要な年代は、高齢者と小児です。
10代後半から中年層は、あまりかからず重症になる割合も低いですが、学校や仕事を休めないので、ワクチン接種を希望する人が多くいます。
多くの人が予防を心がけることによって流行しにくくなり、高齢者や小児などへの広がりを抑えて重症者数を減らすことにつながります。
ワクチン接種は自分のためでもあり、人のためでもあります。
図1:2018年2019年シーズンのインフルエンザ累積受診者(約1170.4万人)の年齢群別割合
図2:2018年2019年シーズンのインフルエンザの年齢群別入院患者報告数(20,389件)※国立感染症研究所ホームページから
この冬のインフルエンザワクチン接種
インフルエンザワクチンは新型コロナウイルスには効果がありませんが、インフルエンザによる肺炎を予防する効果があります。そのため、インフルエンザによる肺炎と新型コロナウイルス感染症のダブルパンチを防ぐ効果はあるでしょう。
「マスク・手洗い・手指消毒」は、インフルエンザにも、新型コロナにも共通の予防法です。いろいろな予防法を組み合わせて、インフルエンザにも新型コロナにもかからないようにしましょう。
●予防接種を受ける回数について
インフルエンザワクチンは接種を受けるときの年齢によって回数が異なります。
年齢 | 接種回数 |
---|---|
成人および9歳以上 | 接種状況にかかわらず1回接種 |
8歳以下 | 去年までにインフルエンザワクチンを2回以上接種していない場合、2回接種 |
去年までにインフルエンザワクチンを2回以上接種したことがある場合、1回接種 (ただし希望がある場合は2回接種も可能です) |
※WHO(世界保健機関)や米国では、生後6か月~8歳まで(9歳未満)が初めてインフルエンザワクチン接種を受ける場合は2回接種ですが、翌年からは毎年1回の接種を続けるよう勧めています。
9歳以上は初年度から毎年1回接種です。日本では13歳未満の方は2回接種です。
●接種を受けた後の注意事項
接種から数日中に、注射した部分が赤くなったりはれたり、硬くなったり痛みが出ることがあります。また、発熱や頭痛、関節痛、下痢、倦怠感などの全身症状がみられることもあります。通常2~3日でこれらの症状は消えますので、特別に処置をする必要はありませんが、心配な時は医師に相談しましょう。
また、ワクチン接種後の重大な副作用として、接種直後から概ね30分ぐらいまでの間に、アナフィラキシーショック(急性のアレルギー反応)、あるいは全身の皮膚の変化や蕁麻疹、呼吸困難などが起こることがあります。ほとんどは接種後30分以内に起きますので、その間は健康状態に注意し、医師と連絡がとれるようにしておきましょう。
このワクチンの接種後に、異なるワクチンを接種する場合の接種間隔に制限はありません。
●接種開始
2024年10月3日(木曜日)接種開始となります。
●予約
完全Web予約制となります。予約は前日まで受け付けております。
ご予約は「Web予約・受付」よりお願いいたします。
●費用
1回・・・3,300円(税込)
●時間
10時~12時30分までの間にお越し下さい。
●大阪市の高齢者への接種費用について
大阪市に住民登録があり、下記に該当する方は1,500円で接種することができます。
◎対象者:大阪市内に住民登録があり、次の1から3のいずれかにあてはまる方
- 65歳以上の方
- 60歳以上65歳未満の方のうち、心臓・腎臓・呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活を極度に制限される方(身体障がい者手帳1級相当)
- 60歳以上65歳未満の方のうち、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障がいがあり、日常生活がほとんど不可能な方(身体障がい者手帳1級相当)
- ◎実施期間:令和6年10月1日(火曜日)から令和7年1月31日(金曜日)
- ◎接種費用:1,500円
- ◎必要書類:健康保険証など住所・年齢を確認できる物を持参してください。医療機関等で「インフルエンザ予防接種予診票」及び「予防接種実施申込書(報告書)」を記入してください。
●次に該当する方は、接種日当日に医療機関の窓口で確認できるものを提示(又は提出)することで、接種費用が免除されます。
・生活保護を受給されている方
・ご本人を含む同じ世帯にいる方全員が市民税非課税の方
・災害のために居住地において定期予防接種を受けることが困難な方
●対象者のうち、次に該当する⽅は、医療機関の窓⼝で確認できるものを提⽰(⼜は提出)してください。
・公害認定患者の方
公害医療⼿帳を医療機関で提⽰し、⼤阪市公害健康被害被認定者インフルエンザ予防接種負担費⽤助成⾦代理受領依頼書(A5版 緑⾊)を提出してください。
・災害のために居住地において定期予防接種を受けることが困難な方
保健福祉センターで申請し、予防接種実施願を医療機関に提出してください。